販売とは何か

このトピックでは、販売とはなにかを取り上げて説明します。

 

販売(はんばい)は、商品を顧客に売る(所有権を移転する)行為を指します。 販売を主たる事業として行っている業態を販売業と呼び、販売を行う業者を販売業者と呼びます。

販売経路とは、商品をメーカから最終顧客に販売されるまでの流通経路のことです。販売ルート、商流、販売チャンネルと呼ばれる場合もあります。

大まかに分類すれば、下記の三つの形態があります。

  1. メーカ → 最終顧客
    メーカから直接商品を消費者に販売する形態で、直販のことです。通信販売、ネット販売などが挙げられます。
  2. メーカ → 小売業者 → 最終顧客 
    メーカから直接小売業者に販売する形態です。
  3. メーカ → 卸売業者(1..n) → 小売業者 → 最終顧客
    メーカから卸売業者を利用して小売業者に販売する形態です。流通でもっとも多い形態です。
    卸売業者としては、商社や代理店、問屋などが挙げられます。なお、メーカが自ら子会社として設立した販売会社も卸売業者に見なすことができます。

同時に上記の三つの形態とも利用しているメーカもあります。

業種

販売している商品やサービスの種類及び、メーカや卸売、小売など販売経路における位置により、企業や会社は、様々な業種に分類されます。 日本の産業全体の業種分けとしては、多くの場合、日本標準産業分類の大分類を基準(リファレンス)として、証券コード協議会における業種区分が用いられることが多い。下記の表はその業種一覧です。

業態

業態は、主に小売業や外食産業などの商業で使われます、業種と違い、販売形態(どのような売り方をするのか)により分類されます。 小売は、下記のように販売形態により業態分類できます。

■店舗販売 特定の場所に店舗を構え、商品を販売する形態です。下記のような分類があります

  • 百貨店(デパート)、
  • 量販店
  • コンビニエンスストア
  • スーパーマーケット
  • ディスカウントストア
  • 専門店
  • 個人商店

■無店舗販売

  • 訪問販売
    販売員が、家庭や職場を訪問して商品を販売する方法。
  • 移動販売
    団地や郊外の住宅密集地など、人の集まりやすい場所で、一時的に販売する方法。
  • 通信販売
    事業者がカタログ、新聞・雑誌広告、テレビ、インターネットなどの媒体を通じて商品広告を行い、顧客が、郵便、電話、ファックス、インターネットなどで注文する販売方法。
  • ネット販売(オンラインショッピングともいう)
    通信販売の一種で、インターネットを使った販売形態。

業種や会社により、販売のやりかたは様々ですが、製造業、卸業、小売業に分けてそれぞれ説明します。

製造業

製造業の特徴は、単に部品を購入して販売するのではなく、購入した部品を工場で加工して販売する点にあります。部品などの購入は、会計上に仕入ではなく、生産に含まれることになります。システム化して、生産管理と販売管理を区別して説明する場合、製造業における販売管理の範囲は工場で生産された製品が倉庫に入庫してからの部分を対象とするのが一般的です。 製造業における販売の業務を図で表現すると、下記のようになります。  

卸売業

卸売業はメーカーと小売店の橋渡し役で、伝統的な機能として、商品の集荷と分散機能、需給調整機能、流通コスト削減機能などがあります。つまり、商品の流通業務に特化することによって、製造業者が大量に生産した製品を、低コストで小口に分散する役割を果たしているのです。 卸売業における販売管理を図で表現すると、かきのようになります。これは最も典型的なパターンです。

小売業

小売業の特徴は、原則として販売先が消費者である点に集約されます。ですから、企業間取引で一般的になっている信用販売ではなく、現金決済やカード決済、割賦販売など安全確実に回収できる決済が必要になります。そのため、小売業の情報システムは、通常の販売管理システムの発注・仕入部分のみを活用し、販売部分にはそうした決済を迅速に処理できるPOSシステムを使って構築されるのが一般的です。 小売業における販売管理を図で表現すると、下記のようになります。