予算残高管理
SAP ECCのプロジェクトシステムでは、WBS要素単位で予算の計画、実績の管理を行います。
管理の単位
WBS要素の予算残高管理の単位としては、年度値と総額の二つがあります。
- 年度値
年度毎の予算値で残高の管理と制御を行う - 総額
年度を見ずに総額の予算値で残高の管理と制御を行う
どちらにするかは、以下の機能で設定することができます。
- IMGパス:
IMG→プロジェクトシステム→原価→予算→予算プロファイルの更新 - Tr-CD:
OPS9
残高の計算
以下の手順でWBSの残高金額が計算されます。
- 基準WBS要素を判定
- 基準WBS要素の予算額と実績額をそれぞれ計算
- 予算額-実績額で残高金額を計算
予算額の計算
該当WBS要素に予算が設定されている場合、該当WBS要素に設定されている金額を予算金額とします、 該当WBS要素に予算が設定されていない場合、上位階層のWBS要素を1階層づつたどり、予算が設定されているWBS要素を探して、そのWBS要素に設定されている金額を予算金額とします。
- 該当WBS要素に予算が設定されている場合
該当WBS要素に設定されている金額を予算金額とする- 例) WBS要素:W111,予算金額:16,000
- 該当WBS要素に予算が設定されていない場合
上位階層のWBS要素を1階層づつたどり、予算が設定されているWBS要素を見つけてそのWBS要素に設定されている金額を予算金額とする- 例1) WBS要素:W22、予算金額:35,000(1階層上W2に設定されている予算金額)
- 例2) WBS要素:W211、予算金額:35,000(2階層上W2に設定されている予算金額)
実績の計算
予算金額が設定されているWBS要素を「基準WBS要素」とし、基準WBS要素配下のWBS要素の実績金額を合計して求めます。 実績金額は「①確定債務金額」「②未確定債務金額」「③申請中金額」に分けられます
- 確定債務金額=会計伝票転記済の金額
- 未確定債務金額=購買依頼済 + 購買発注済の金額
例1:
- WBS要素:W111
- 基準WBS要素:W111
- 実績金額:3,000
例2:
- WBS要素:W21
- 基準WBS要素:W2
- 実績金額:17,000(W22:13,000 + W211:1,000 + W212:3,000)
不足時の制御
残高不足時に超過可能な枠の設定や、超過時にエラーかワーニングかにすることができます。
どう制御するかは、以下の機能で設定することができます。
- IMGパス:
IMG→プロジェクトシステム→原価→予算→定義:許容差限度