マイナス転記

英:Negative Posting

 

マイナス転記とは、SAP FIにおいて反対仕訳を行う際に、通常は借方・貸方を反転して転記する代わりに、元の借方・貸方区分を維持したまま、金額をマイナス値として転記する方式です。

通常の反対仕訳では、借方と貸方が反転するため、仕訳明細の件数が増加し、元仕訳との対応関係が分かりにくくなる場合があります。

このような課題に対し、仕訳の見通しを良くし、元仕訳と反対仕訳の関係を直感的に把握できるようにする目的で、マイナス転記の仕組みが提供されています。

マイナス転記を使用した反対仕訳では、以下の特徴があります。

  • 借方・貸方区分は元仕訳と同じまま転記される
  • 金額がマイナス値として記録される
  • 明細上で元仕訳と反対仕訳の対応関係が分かりやすい

マイナス転記は、反対仕訳理由の設定により利用可否が制御され、反対仕訳実行時に自動的に適用されます。

4.1 運用主体

経理部門が主体となって利用し、IT部門がカスタマイズ設定および運用ルール整備を支援します。

4.2 主な作業

  • マイナス転記可否が設定された反対仕訳理由の利用
  • 反対仕訳実行時の仕訳内容確認
  • 決算資料や明細確認時の仕訳照合
  • 監査対応時の仕訳説明
  • マイナス転記は、すべての反対仕訳理由で使用できるわけではありません。
  • マイナス金額表示に対応していない帳票や外部連携システムでは、想定外の表示となる可能性があります。
  • 勘定残高自体は通常の反対仕訳と同じ結果となりますが、明細表示の見え方が異なる点に注意が必要です。
  • 運用開始前に、監査・管理部門との合意を取ることが重要です。

6.1 カスタマイズ

IMGパス Tr-CD 機能 説明
財務会計 → 総勘定元帳 → 取引 → 調整転記-/反対仕訳 → 定義 反対仕訳理由 反対仕訳理由定義 反対仕訳理由ごとにマイナス転記可否を設定します

6.2 トランザクション

Tr-CD 機能 説明
FB08 伝票反対仕訳 マイナス転記設定に基づき反対仕訳を実行します

6.3 テーブル

ID 名称 説明
T041C 反対仕訳理由 マイナス転記可否の設定情報を管理します
BKPF 会計伝票ヘッダ マイナス転記を含む反対仕訳情報を保持します
BSEG 会計伝票明細 マイナス金額の仕訳明細を管理します

6.4 汎用モジュール

ID 名称 説明
FI_DOCUMENT_REVERSE 伝票反対仕訳 マイナス転記を含む反対仕訳処理を実行します
  • 反対仕訳
  • 反対仕訳理由
  • 会計伝票
  • 転記日付