自動仕訳処理

 

入出庫処理における自動仕訳の仕組みは以下の要素から構成されます。

  • 金額ストリング
  • 勘定処理キー(内部処理キー)
  • 自動勘定コード設定

金額ストリングは、会計転記の視点から入出庫処理をパターン化して、それらのパターンを識別する内部コードです。 金額ストリングは入出庫伝票明細(MSEG-)にも会計伝票明細(BSEG-)にもその値が保持されます。 入出庫処理の自動仕訳処理は入出庫伝票明細単位で行われるため、一つの入出庫伝票明細に結びつけられる会計伝票明細の金額転記ストリングはすべて同じになります。

一覧

入出庫で利用されている金額ストリング一覧はシステムテーブルT156W(転記ストリング値)からも確認可能であり、以下の表はその一部を抜粋します。

No.金額ストリング対応業務パターン
1BNKG?
2MB07?
3MB08?
4WA01?
5WA03?
6WA04?
7WA06?
8WA10?
9WA11?
10WA14?
11WA15?
12WA16?
13WA22?
14WE01購買発注入庫/消費転記なし?
15WE06購買発注入庫/消費転記あり?
16WF01製造指図による購買発注入出庫/仕入返品?

移動タイプへの割り当て

各移動タイプは内部的にシステム用の移動タイプ(T156-BUSTR転記列参照)に割り当てられます。

システム用の移動タイプは借方貸方を区別しないため、標準の101(購買発注)、102(購買発注取消)とも同じシステム移動タイプ101に割り当てられます。 なお、標準の移動タイプをコピーして新しい移動タイプを作成する場合、コピー元移動タイプのシステム移動タイプが引き継がれます。

転記ストリングのこのシステム移動タイプへの割当は、標準プログラム内部のハードコーディングにより決定されるものです。

含められる勘定処理キー

金額ストリングカがきまると、転記可能な勘定科目(勘定処理キーにより識別される)が決まります。 システムテーブルT156W(転記ストリング値)から確認可能です。

入出庫処理時の自動仕訳処理は、対象勘定毎に処理を分割することができます、各勘定科目の転記処理は内部でそれぞれ3桁の勘定処理キーにより財務会計モジュールで纏めて管理されます。

勘定処理キーは、内部処理キーやトランザクション/イベントキ-、TEkeyとも呼ばれることがあります。

勘定処理キーは勘定コード設定の基本項目です、勘定処理キーを使って、転記明細が生成される勘定が設定されます。したがって、転記ごとに少なくとも 2つの勘定処理キー (転記明細ごとに1つずつ) が使用されます。

  • 消費勘定に転記明細1つ (借方転記)
  • 在庫勘定に転記明細1つ (貸方転記)

入出庫の自動仕訳処理でよく見られる勘定処理キーを抜粋しておきます。

  • BSX(在庫転記)
    SAPシステムでは、各品目に対して個別の勘定はありません。その代わりに、同様な特徴を持つ様々な品目が共通の勘定 (たとえば、原材料) にグループ化されます。品目に関連する勘定は、品目の登録時に品目マスタレコードで定義されます。
  • KDM(在庫/購買管理換算レート差損益)
  • PRD(価格差異)
  • WRX(入庫/請求仮勘定)
    入庫/請求仮勘定は、在庫勘定と仕入先コードの “中間” 勘定です。入庫時に、予定される正味請求額が在庫勘定に転記されます。相手勘定入力は入庫/請求仮勘定に転記されます。その後、請求書受領時に、仕入先勘定での相手勘定入力により決済(消込)されます。
  • UPF(その他運搬費)

自動勘定コード設定は財務会計モジュールで統合管理されています、詳しくは財務会計の46を確認ください。 在庫では自動勘定設定が以下の項目に基づいて勘定コードを決定されます。

  • a 勘定コード表
  • b 評価グループ
    評価レベルの評価グループコード
  • c 評価クラス
    品目の評価クラス、品目勘定に対してのみ
  • d 内部処理キー
  • e 勘定修正キー
    相手勘定入力、受託品/預託品債務と購入価格差異に対してのみ

関連IMG

  • 在庫/購買管理→評価及び勘定設定→勘定設定→勘定設定(ウィザードなし)→評価レベルグループ化
  • 在庫/購買管理→評価および勘定設定→勘定設定→勘定設定(ウィザードなし)→定義:移動タイプ別勘定修正キー
  • 在庫/購買管理→評価及び勘定設定→勘定設定→勘定設定(ウィザードなし)→設定:自動仕訳
    • ルール
    • 転記キー
    • 勘定コード