トランザクションバリアント
英:Transaction Variant
1. 定義
トランザクションバリアントとは、トランザクションに対して特定項目の表示の操作(必須・入力不可・非表示・初期値)などを制御するためのバリアントのことです。
2. 背景
SAP標準トランザクションは汎用性が高く、多くの業務に対応できる一方で、実際の業務では不要な項目や誤入力の原因となる項目が含まれる場合があります。
こうした画面項目を業務内容に合わせて制御し、操作性向上や入力ミス防止を実現するために、トランザクションバリアントの仕組みが提供されています。
3. 概説
トランザクションバリアントでは、以下のような画面制御が可能です。
- 画面項目の入力不可(保護)
- 初期値の固定
- 項目の非表示
- 画面遷移の制限(一部)
作成したバリアントは、対象トランザクションに紐づけて実行されます。 トランザクションバリアントは主に、複雑なDynpro制御があるモジュールプールのトランザクションに対して設定されます、対照できに実行可能プログラムのバリアントは、トランザクションバリアントと区別してレポートバリアントと呼ぶことがあります。
4. 運用
4.1 運用主体
IT部門が作成・管理を行い、業務部門が利用する形で運用されることが一般的です。
4.2 主な作業
- トランザクションバリアントの作成
- 業務変更に伴う画面制御の修正
- 権限ロールとの組み合わせ確認
- 本番適用後の動作確認
5. 注意点
- トランザクションバリアントは画面制御であり、業務ロジック自体を変更するものではありません。
- SAP標準トランザクションの仕様変更により、影響を受ける場合があります。
- 権限設定と併用しない場合、完全な制御とならないことがあります。
- 過度な制御は保守性低下につながります。
6. 補足
6.1 カスタマイズ
- トランザクションバリアント自体に対するIMGカスタマイズはありません。
- 命名規則や管理範囲などの運用ルールを定めることが重要です。
6.2 トランザクション
| Tr-CD | 機能 | 説明 |
|---|---|---|
| SHD0 | トランザクションバリアント/画面バリアント | トランザクションバリアント、画面バリアントの登録、変更、削除を行う |
6.3 テーブル
| ID | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| SHDTVCIU | トランザクションバリアント非依存 | クライアント非依存のトランザクションバリアント定義を格納 |
| SHDTVSVCIU | トランザクションバリアント - 画面バリアントの割当 | クライアント非依存のトランザクションバリアントと画面バリアントの割り当てを格納 |
| SHDTVU | トランザクションバリアント存 | クライアント依存のトランザクションバリアント定義を格納 |
| SHDTVSVU | トランザクションバリアント - 画面バリアントの割当 | クライアント依存のトランザクションバリアントと画面バリアントの割り当てを格納 |
6.4 汎用モジュール
| ID | 名称 | 説明 |
|---|
7. 関連用語
- 画面バリアント
- レポートバリアント
- 権限オブジェクト