レポートバリアント
英:Report Variant
1. 定義
レポートバリアントとは、SAPのレポートプログラム実行時に指定する 選択条件や表示条件を保存し、再利用できるようにした設定情報です。 主にABAPレポートの選択画面で使用されます。
2. 背景
SAPのレポートでは、会社コード、期間、組織単位など、 多数の選択条件を指定して実行するケースが多くあります。
これらの条件を毎回手入力する手間を省き、 同一条件での繰り返し実行や業務運用の標準化を行う目的で、 レポートバリアントの仕組みが提供されています。
3. 概説
レポートバリアントでは、ABAPレポートの選択画面に表示される PARAMETERS や SELECT-OPTIONS の入力値を保存できます。
主に以下のような用途で利用されます。
- 定型帳票の条件固定
- 月次・日次処理の標準条件設定
- バックグラウンドジョブ実行時の条件指定
レポート実行時にバリアントを指定することで、 保存された条件が自動的に設定された状態で処理が開始されます。
4. 運用
4.1 運用主体
業務部門(経理部門、営業部門など)が主に利用し、 IT部門が作成ルールや権限管理を支援する形で運用されます。
4.2 主な作業
- 定型レポート用バリアントの作成
- 業務要件変更に伴う条件値の修正
- バックグラウンドジョブ用バリアントの管理
- レポート実行時のバリアント指定
5. 注意点
- レポートバリアントはプログラムに依存するため、
プログラム変更時に使用できなくなる場合があります。
- バックグラウンドジョブで使用中のバリアントを変更すると、
実行結果に影響を与える可能性があります。
- 権限設定によっては、他ユーザのバリアントを参照・変更できません。
- トランザクションバリアントや画面バリアントとは用途が異なります。
6. 補足
6.1 カスタマイズ
- レポートバリアント自体に対するIMGカスタマイズはありません。
- 運用面では、命名規則や管理ルールを定めることが重要です。
6.2 トランザクション
| Tr-CD | 機能 | 説明 |
|---|---|---|
| SE38 | ABAPプログラム実行 | レポート実行およびバリアントの作成・指定を行います |
| SA38 | ABAPプログラム実行 | SE38と同等の機能を提供します |
| SM36 | ジョブ定義 | バックグラウンドジョブにレポートバリアントを指定します |
6.3 テーブル
| ID | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| VARID | バリアント管理 | レポートバリアントの基本情報を管理します |
| VARIT | バリアント値 | 選択条件の入力値を管理します |
6.4 汎用モジュール
| ID | 名称 | 説明 |
|---|---|---|
| RS_VARIANT_CONTENTS | Select-options + Parameter (mit Werten) | 指定したレポートプログラムのバリアントの設定値を取得する汎用モジュールです。バリアントの設定値はエンコードされてテーブルに格納されているため、SE16は参照できない |
7. 関連用語
- トランザクションバリアント
- 画面バリアント
- ABAPレポート
- バックグラウンドジョブ