レポートライタ

英:Report Writer

 

レポートライタとは、SAP標準で提供されている帳票作成機能であり、主に FI/COの会計データを対象として、集計帳票を定義・実行するためのツールです。

SAPでは、財務会計や管理会計において、多様な切り口で会計データを集計・分析するニーズがあります。これらの要件に対して、プログラミングによらずに帳票を作成できる仕組みが求められてきました。

このような背景から、会計集計ロジックを定義するための基盤機能として、レポートライタが提供されています。後に操作性を高めたレポートペインタが追加され、両者は相互補完的な関係となっています。

レポートライタは単一のテーブルからデータを取得し、好みのレイアウトで表示することができます。
複数のテーブルを結合して表示することはできないが、ビューを作成しておけば、ビューをテーブルの代わりとして使用することが可能です。なお、項目の集計や四則演算は可能です。 レポートライタでは、以下の要素を定義して帳票を作成します。

  • ライブラリ(Library) \\ ライブラリは、レポートの箱のようなものであり、帳票の集計対象や基本構造を定義します。ライブラリはレポートで読み込みするテーブル(1ライブラリに1テーブルしか指定できない)、項目を指定します。
    項目は特性、基本キー数値、キー数値の3種類があります。 
    • 特性
      組織系のマスタや時間系の項目など分析のディメンション特性となる項目。会社コードや事業領域、会計年度がこれに該当します。
      特性はテーブル項目から指定します。
    • 基本キー数値
      金額や数量など数値をもつ値項目。伝票金額や国内通貨金額がこれに該当します。
      基本キー数値はテーブル項目から指定します。
    • キー数値 
  • レポート(Report)
    行・列・キー項目などの帳票構成を定義します。
  • セット(Set)
    勘定科目、原価要素、組織単位などのグループ化定義を行います。
  • 変数
    変数(セット変数)はレポート実行時に指定てきるパラメータのことです。
    • 値 
      初期値提案するために利用する。「選択画面の入力項目」>内部変数をONにすると、選択画面に表示せず抽出条件のみに影響するはず。(一部の項目に表示される)「選択画面の入力項目」>パラメータIDをONにすると、パラメータの値が初期値よりも優先されるはず。例えば、6期にSAPを操作している場合、会計期間の初期値に「6」が入る。
    • 論理式
      四則演算を加えることが可能。内部変数のチェックボックスについては、値と同様。
    • セット
      階層構造、グループ構造を持つ項目を利用する場合に指定する。
  • ジョブ
    ジョブはレポートを実行する状態にするものです。

これらの定義に基づき、帳票実行時にはSAP標準の会計テーブルから自動的に集計が行われます。主に FI/COの定型集計帳票 の作成に利用されます。

4.1 運用主体

経理部門や管理会計部門が主体となり、IT部門が設計・保守を支援する形で運用されます。

4.2 作業

(業務運用)

  • 定期的な決算帳票の実行
  • 管理資料作成のための集計帳票出力
  • 勘定や組織変更に伴うセット定義のメンテナンス

(開発作業)
以下の手順でレポートライタを作成します。

  1. ライブラリ登録(Tr:GR21)
  2. セット登録(Tr:GS01)
  3. セット変数登録(Tr:GS11)
  4. レポート:登録(Tr:GR31)
  5. ジョブ登録(Tr:GR51)
  6. レポートをユーザ開放する
  • 操作性はレポートペインタと比較するとやや専門的です。
  • 定義内容が技術寄りで、業務ユーザには理解しにくい場合があります。
  • 複雑な帳票では定義の保守性が低下する可能性があります。
  • 実行時エラーの原因特定が難しい場合があります。

そのため、帳票定義はIT部門が管理し、業務部門は実行専用とする運用が一般的です。

6.1トランザクション

Tr-CD機能説明
GR21ライブラリ登録ライブラリ登録。ライブラリの変更と照会はそれぞれGR22、GR23を使用
GR31レポート登録レポート登録。レポートの変更と照会はそれぞれGR32、GR33を使用
GR51ジョブ登録ジョブ登録。ジョブの変更と照会はそれぞれGR52、GR53を使用
GR55ジョブ実行ジョブ実行
GS11セット変数登録レポートの変数を登録。変数の変更と照会はそれぞれGS12、GS13を使用
GCTR移送:レポートライタレポートペインタの移送取得

6.2テーブル

ID名称説明
T800レポートライタ: レポートレポートライタのレポート定義を格納
T801Kレポートライタ: ライブラリレポートライタのライブラリ定義を格納
T801Lレポートライタ: ライブラリ項目レポートライタの特性定義を格納
T801Pレポートライタ: ライブラリのキー数値レポートライタのキー数値定義を格納
T802Gセット:変数レポートライタの変数値定義を格納
T803Jレポートライタ: ジョブレポートライタのJOB定義を格納
T803Lレポートライタ: ジョブ登録JOBの関連レポート情報を格納
T804Aレポートライタ: ファイルテキストレポートライタで使用可能なテーブル名を格納

6.3汎用モジュール

ID名称説明
G_PROGRAM_NAMEJOB名から自動生成されたプログラム名称を取得

参考